新しい年が明けました。
年明けは、何をやっても「初」と付くのが嬉しく思えます。
本を読めば初読、ジョギングにいけば初ラン。
先日は今年最初の米糀を醸しました。初醸…初糀♪
今年初の米糀も、米に花が咲いたような美しい仕上がりです。
出糀の瞬間が大好きで、糀作りがやめられませ~ん!
「オリゼさん、今日も恵みをありがとう!!」と糀菌に感謝です。
(この初糀は自宅味噌用になりました。)
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年が明けて嬉しいことがもう1つ。
糀マイスター基礎コースの皆様が修了テストを終え、大変優秀な成績で上級コースに進まれました~。
晴れやかですね~!!!皆様おめでとうございます!!!
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上級コース1回目のテーマは今が旬の「酒粕」。
酒粕は日本酒を作る際、醪(もろみ)を絞った後に残るかすですが、かすなんて呼ぶのがはばかられるほど素晴らしい栄養と健康作用に優れた発酵物で、最近注目度が高まっています。
動脈硬化や便秘を改善し、腸内を綺麗にしてくれるレジスタントプロテイン、高血圧を予防するペプチド、嬉しいアンチエイジング成分もたっぷりで、是非!暮らしに取り入れたい優れた発酵食品なのです。
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酒粕の歴史を振り返ってみると、現在のような酒粕が生まれたのは室町時代。
それまでは「酒」といえば濁り酒が一般的で、醪(もろみ)を絞る・濾すという工程はなかったのです。
室町時代に生まれた「諸白酒」は、糀米と掛け米の両方を精米し、初めて濾すという工程を取り入れた現在の日本酒に近い酒です。
室町時代に濾すという工程を加えた酒が造られ、現在見られるような酒粕が誕生しました。
江戸時代には、貴重な栄養源として利用されていたんですよ。
酒粕というと甘酒のイメージがありますが、酒粕が甘酒として利用され始めたのは大正時代以降。
それ以前の甘酒は、米糀と水で作る「糀甘酒」が一般的でした。
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近年の発酵食ブームで、スーパーマーケットに行くと、たくさんの酒粕が目につくようになりました。
いろいろな銘柄の酒粕がありますよね。これ、どれを使っても同じではないのです。
日本酒は並行複発酵という方法で作る、高度な発酵技術を持たねば作れない酒。
酒蔵ごとに、それぞれが持つ発酵技術の叡知を結集して造りあげます。
材料、発酵方法、成分、味わいなどが1本1本が銘柄ごとに違い、1つとして同じ酒はありません。
酒粕はその搾りかすですから、銘柄ごとに原材料も成分も味わいも異なるのです。
純米酒、吟醸酒、本醸造酒、普通酒…などを用途に合わせて、漬け床、かす汁、甘酒、パック、スイーツ、ソースなど用途によって使い分けるのがポイント!
酒粕はみな同じだと思っていました~という方がほとんどでした。
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粕床に食材を漬けると、鮭や鱈などの魚や鶏のもも肉などはもちろんのこと、かじきや鶏のむね肉のような、脂が少なめの、少しぱさぱさと感じる食品も、微生物の出す酵素の働きで分解され、しっとりと仕上がりとてもおいしいくなります。
また、料理と言えば粕汁くらいしか思いつかなかったという生徒さんに、ホワイトソースやスイーツへの使い方をご提案しました。
食材に酒粕を加えることによって、旨味やコクがプラスされます。
また、酒粕は火を加えますとチーズの様な味わいになります。
この性質を利用して、酒粕と豆乳を合わせてホワイトソースの様な味わいを楽しむことができます。この酒粕ホワイトソースは一般的なホワイトソースに比べ、かなりヘルシーです。
酒粕自体には塩味はないので、塩味を加える必要があります。
(中でも、味噌との相性が抜群です。)
酒粕+豆乳+味噌(塩味)で美味しいパスタ&グラタンソースの出来上がり!!!
加熱するとせっかくの酵素が…と思われる方は、ディップにして楽しんでみてくださいね。
写真は皆さんと試食した酒粕ショコラです↓↓
酒粕を加えることによって、リキュールのような風味が加わります。ラズベリーやブルーベリー、イチゴなどのベリー類に添えると美味しいですよ。
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優れた健康作用に加え、美容効果も見逃せません!
ワークショップ②では酒粕パックを作りました。
メラニンを作り出すチロシナーゼという酵素を生成させないアルブチンと遊離リノール酸をたっぷり含んだ酒粕パックで、糀マイスターみんなで美しくなってしまおう~!と笑いました(*^^)v
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最後に生徒さんからのリクエストでカメラ講座を行いました
2017年の流行語に「インスタ映え」がランクインしていましたが、料理の仕事をする上で、フォトジェニックな写真が撮れないと、仕事が成り立たない時代になってきました。
被写体は皆に等しく見えていますが、フレームで切り取ることによって、写真ごとに全く違う世界になります。
何を撮りたいか、それをどう配置するか、光をどう操るか、美味しそうに見えるコツ、使うアプリなど、すぐに取り入れやすいポイントについてお話させていただきました。
今週末はこの上級クラスの皆様と、金沢に発酵研修にまいります。
今からわくわくです。
ブログを読んでくださってありがとうございます!
新しい年も、どうぞよろしくお願いいたします!