A Taste of Tokyo ~麹と発酵文化~のイベントにご招待いただき、お仕事後に、品川プリンスホテルにかけつけました。
楽しみにしていたのは東京農業大学名誉教授の小泉武夫先生の講演です。
先生の講演で特に心に響いたことが2つありました。
①【糀】と【麹】
「麹」は中国から伝わった漢字であり、クモノスカビと雑穀によって作られたこうじを指すのだが、中国ではすでにこの漢字は使われていない。今現在、中国でこうじを意味するのは「曲」という漢字である。
日本で「こうじ」を表すとき、今や中国でも使われていない「麹」という漢字を使っている。しかし、日本のこうじ文化は稲作と共に始まり、コウジカビによって発展してきたのだから、こうじを表すには米にコウジカビが繁殖して花が咲いたように見えることからできた日本の国字「糀」という字を使うべきである、という話。
まさに、当協会「日本糀文化協会」はこの理由から、大和漢字である「糀」という字を用いています。
そのことについて小泉先生が長い時間を割いて説明してくださったことに、感動を覚えました。
さらに感動したのが・・・
②糀文化はアイデンティティ
であるという話。
素晴らしい糀の発酵文化を、日本人のアイデンティティとして、もっとこどもたちに教育として伝えるべきである。
小泉先生がこの話を始めた時、からだが震えてきたのがわかりました。
そうなんです!これは私たちがいつも話していることだったのです。世界でも素晴らしさが認められている和食。その礎である糀の発酵。このことを、日本人は知らなすぎると感じます。
小泉先生がドイツに行ったとき、チーズショップで小学生がチーズを発酵させる発酵菌の話をしているのを耳にし、「なぜ君はそんな難しい菌の名前を知っているのか?」と尋ねたそうです。そのとき彼は、「チーズは自分の国の大切な文化だから、チーズを醸す菌のことは学校でみんな習うんだよ」と答えたそうです。
日本で、糀の発酵について教えている学校はいくつあるのでしょうか。
日本人が自国の誇るべき文化として、糀についてもっと知るべきだと思うのです。
子どもたちに、みなさんに、日本人のアイデンティティとしての糀の発酵の素晴らしさを伝える、それこそが、私たち日本糀文化協会の使命であるよね、うんうん、と、講演中震えてきてしまったのでした。
さて・・・小泉先生の話が先になってしまいましたが、東京chefsさん主催のこのイベントは、ハナマルキさんの液体塩麹の可能性を、グルメジャーナリストの東龍さんのプロデュースで、品川プリンスホテルの総料理長山田康雄さんがさまざまな食材を使って表現するという催しでした。
甘鯛と鱈白子の香草オイル焼き↓
エビと帆立貝のブロシェットスタイル↓
塩糀を利用したさまざまな料理を味わい、あらためて糀の可能性を感じました。
帰り際、このイベントにお招きくださったライターのかたおかあやさんと写真を撮りました。かたおかあやさん、ありがとうございました。
代表理事の大瀬先生、糀マイスター上級コースの高木さん、川浦、3人ともお料理と感動で、み~んなおなかいっぱい、胸いっぱいでした。