流山市立博物館主催子どもみりんクッキングvol.2を開催いたしました。
千葉県流山市は、白みりん発祥の地です。
流山博物館主催のみりん学講座で、日本糀文化協会は昨年に引き続き講師を務めさせていただいております。
普段は大人向けのみりん学クッキングを行っていますが、夏休みは子ども向けの講座を2回おこないました。
2回とも参加して、自由研究にするんだ!と話してくれた子もいて、うれしい限りです!
最初に
●どうして流山で白みりんが作られたの?
●みりんってなんだろう?発酵ってなんだろう?
●みりんはどんなふうに使うの?
●みりんにも種類があるよ
というテーマで座学をおこないました。
この講座は1年生から6年生が対象で、参加者の学年も様々なのですが、小さい学年の子も、みんなしっかり聞いてくれます。
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みりんの調理効果や使い方って大人も意外に知らないんので、ここで整理してみますと・・・
●みりんの甘味
甘味、というと砂糖を思い浮かべがちですが、みりんでは砂糖とはまた違った甘味を料理に加えることができます。ショ糖を主成分とした砂糖に比べ、みりんの甘味はブドウ糖やオリゴ糖などの多種類の糖から構成されています。そのため、やわらかで上品に仕上がります。砂糖は均一的な強い甘味ですが、みりんの甘味は奥深くさっぱりとした上品な甘さです。
●みりんの旨み、コク
もち米から生まれるアミノ酸(グルタミン酸、ロイシン、アスパラギン酸など)やペプチド、有機酸(乳酸、クエン酸、ピログルタミン酸など)や糖、その他の成分が複雑に絡み合って深いコクと旨味が生まれます。料理に使うと、浸透性に優れたアルコール分子が材料の組織内に浸透する際に他の味の分子もいっしょに引き込みます。アルコールは熱で蒸発するため、素材の旨みだけが残るというわけです。
●照りとツヤをつける
みりんの複雑な甘味成分が、加熱することで膜を作り出します。砂糖+お酒でも照りをつけることは可能ですが、作り出すにはかなりの量が必要となってきます。調理の最後にみりんを少量くわえるだけでおいそうな照り、つやを生み出します。
●食材に味を染み込みやすくする
お料理に本みりんを加えると、その中に含まれるアルコールがアミノ酸や有機酸、糖類等の食材への浸透を開始します。アルコールは分子が小さいために浸透のスピードが速く、料理の味付けが素早くできるのです。
●魚や肉の生臭さを消す
熱が加わると、素材に染み込んだアルコール分が蒸発します。その蒸発の際、アルコールと一緒に魚や肉の臭みも一緒に飛んでいくのです。
●煮崩れを防止する
みりんに含まれる糖分やアルコールが料理の具材に浸透し、その組織を引き締めるため煮崩れを防ぎます。見た目が美しいだけでなく、食材の旨味成分を外に逃がしません。
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みりんってすごい!砂糖とは違った役割がある!・・・というみりんについての理解を深めてから、みりんを使った子どもたちの大好きなみりんキャラメルフレンチトースト、煮切りみりんを使ったみりんドレッシングのサラダを作りました。
フレンチトーストの卵液にみりんを加えることで、短時間でパンに味が早くしみこみ、もちもちになります。
みりんキャラメルソースやみりんドレッシングには、砂糖の代わりにみりんを使うことで複雑で優しい甘味、旨味が加わり、おいしくなります。
みんなでわいわい作っていきます。
みりん男子、料理スキル高いです!(笑)↓↓↓
おっ、本みりんを煮切ると炎が出た!
本みりんにはアルコールが入っているからだよ。アルコールが蒸発するとき、素材の生臭さをとってくれるんだよね↓↓↓
いただきますではおいしい笑顔が溢れました。
お料理を作っていて困ったことがあった時は、大きい子が小さい子をうまくサポートしていて、乗り切っていました。流山っ子いいな!と思いました。
流山で生まれ、江戸の食文化を支えた「白みりん」。
参加してくださった子どもたちが、その素晴らしい文化を知って、自分の暮らす街をもっと好きになってくれたらいいな。そして、みりんを暮らしにどんどん取り入れて活かせますように!
そんな思いを込めて講座を行いました。
毎回ご協力いただいている流山博物館の北澤さんはじめ、スタッフのみなさまに感謝です!
次回は12月。大人向けにみりん学クッキングを行います。テーマはみりんでおせちです。